ちいさな旅 千国街道(その10)

 しつこくちいさな旅編。
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 源長寺を後にして、しばらくは森の中の道を歩きます。
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 森を抜けると、目の前に途方に暮れるような光景が広がります。それはまるで時空を超えてしまい、古の世界に迷い込んだような風景です。
 ふと、向こうから、旅姿の木枯し紋次郎が、風を切って歩いてきそうな気がしました。
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 千国街道を歩くと、石仏とともに、そこここの道端に、その地区の庚申講の人々が造立した庚申塚をよく見かけます。
 庚申講とは、六十日に一度回ってくる、庚申(かのえさる)の日に、集落の五、六戸が集まって立てる講のことで、年6回の当り日に当番の家に集まって酒食をともにして親睦を深めます。
 庚申塚は、六十年に一度訪れる、庚申の歳に、庚申講の人々がお金を出し合って造立する塚のことで、石に庚申の文字や、庚申の本体神である三眼四手の青面金剛のお姿を刻みます。
 この地区ではこの講がまだ続いているようで、一番新しい庚申塚は昭和五十五年の年号が刻まれていました。
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 街道を歩いていると、タンクのような奇妙な建造物を見かけます。実はこれ、地滑り対策の水抜き井戸。小谷の地は、姫川が削った急峻な谷になっており、有数の地滑り地帯のため、このような井戸があちらこちらに掘られています。中をのぞくと、なかなか不気味なものが。某ホラー映画に出てきた井戸のような雰囲気です。