四賀の里は、お寺の多いところでもあります。
里を見おろす、正に山のお寺と言うのにふさわしい場所にあるのが、
弘仁十年という、いったいいつの頃の話か見当もつかない時代に開山し、当初は
真言宗のお寺で、
弘法大師の伝説も残っているという、とても古いお寺です。
長い石段を登り、
戦国の時代の城壁のような塀に囲まれた
境内に入ると、
質素かつ落ち葉一つ落ちていないほど丁寧に手入れされた境内に、
江戸時代半ばの、文化の頃に建てられた本堂、庫裏、鐘楼をはじめ、数多くの歴史のある伽藍が建ち並んでいます。
観光地化されていない、歴史を重ねてきたお寺には、私のような怠惰な不信心者にも、何かはっとさせる独特の重厚感があります。
づづく