雀おどし

 松本市を含め、長野県の中信、南信地域の古民家の独特な建築様式に「本棟造り」というものがあります。
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 この本棟造りは、大きな切妻屋根を持ち、妻側に出入口があり、また大きな破風と格子窓があるのが特徴で、古くより豪農や庄屋などの地主階級、または豪商の館の多くがこの建築様式で建てられてきました。

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 本棟造の屋根の頂点には、必ず「雀おどし」という特徴的な大きな棟飾りが付いています。
 これはもともと、米など収穫した穀物をを食い荒らす雀などの鳥を脅すために、その天敵である鷹などの猛禽が羽を広げて飛んでいるところををかたどった、いわゆる「案山子」であったものが、いつの間にか意匠化され、その大きさが富の象徴になったといわれております。

 画像の建物は、もともとは古くからの薬種問屋だそうで、往年の豪商の屋敷の佇まいを今に伝えております。