空想

 松本には、明治から大正、昭和初期の建物が少なからず残っていて、町に趣を与えています。


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 こちらも、昔ながらの行灯建風の小粋な二階家。

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 玄関の硝子の格子戸から洩れる電燈の柔らかな光が、心に暖かく感じられます。

 きっとこのお宅の茶の間には、年季の入った飴色の欅材の茶箪笥がおかれ、柱ではゼンマイ式の掛け時計がゆっくりゆっくり時を刻み、猫がもぐりこんだ炬燵にこじんまりとしたご隠居夫妻があたり、火鉢か反射式のストーブの上では、薬缶がしゅうしゅうと湯気を立てている、そんな静かな光景が広がっているのだろうなと、空想を逞しくしてしまいました。