酔人の雑言

 今日は木曜日。慣例どおり、仕事帰りに湯屋に寄り、駅前の夢屋さんに行きました。
 最近、呑み屋さんで飲んでいて、人様の会話を聞くと(それはそれで悪趣味なのですが、皆様なにしろでかい声でお話なさるもので、いやでも聞こえてしまうのです)だいたいは皆さん同じ趣旨のことを話されているようです。一番多いのが会社内の話。内容は、先輩、同僚、後輩がいかに無能でどうしようもないということか、自分がこれだけ苦労して働いていても、それを会社は見てくれない不満のようです。次に多いのが、自分のパートナー、つまり彼氏、彼女、夫、妻の話。内容はのろけや艶っぽい話ならまだしも、だいたいは相手への愚痴や思いやりもない性質の悪い悪口。さらにもう一つ多いのが、ご自分では大層なことなのでしょうが、私ら愚民にはまるでつまらない自慢話。いずれにしろ、愚にもつかないならまだしも、聞いてる方には、あまりプラスにならない会話が多いような気が。
 私の飲んだときの理想の会話は、大前提としては、いかなる状況でもその場にいないものの名誉を傷つける会話はせず、小粋な話か、とんちのきいた話か、艶っぽい(露骨な下ネタではない)話を歯切れ良く話すことです。もっともこの類の会話は、ある程度、それなりにこなれて(早い話がいい意味で遊びなれて)いないとできない芸当。
 しかし残念なことに、今では、文化としての遊びに慣れた方は、もう皆無に近くなってしまったようです。
 もっとも、上記のように様々な御託を並べている私も、まだまだ修行が足りません。結局はただの無粋な酔っ払いなのです。